日本ディスファーリノパシー患者会について肢帯型筋ジストロフィー2B型 (Limb-girdle muscular mystrophy tye2B : LGMD2B)ディスファーリノパシー (Dysferlinopathy)
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   故三好和夫徳島大学名誉教授は、1967年にはじめて日本の学会で論文を発表し、1986年に常染色体劣性遠位型筋ジストロフィーを報告しました。
   当時病名には三好型とは付けてはおらず、後に海外の研究者が Miyoshi muscular dystrophy / Miyoshi myopathy と名付けたそうです。
   三好型は、筋ジストロフィーの一種と報告された筋疾患(筋原性疾患)で常染色体劣性遺伝です。
   1998年に、原因遺伝子が第2番染色体「2p13」にある事が報告されDysferlin(ディスファーリン)と命名されました。
   このDysferlinの欠損によって筋細胞膜の修復に障害を生じて筋細胞が壊れやすくなり筋萎縮と筋力低下を起こす病気です。
   一般的には三好型筋ジストロフィーと呼ばれていますが、海外では三好型ミオパチーとも呼ばれています。

   三好型筋ジストロフィー (Miyoshi muscular dystrophy : MMD)
   三好型ミオパチー (Miyoshi myopathy : MM)

   10〜30歳頃に発病し、手や足などの体幹より遠い所から筋肉が萎縮していきます。
   初期症状は、爪先立ちやジャンプが出来ない事、平坦な道での歩行でつまづき転倒したり階段の
   昇降なども大変になるような症状が現れます。また、発症後10年位で歩行困難とされていますが個人差はあります。
   心臓や呼吸器は侵されにくいので生命的予後はよいとされています。

   病院での検査では、血液検査をすると肝機能障害と言われてしまうこともありますが、
   筋肉の細胞の中にある酵素のCK(クレアチキンナーゼ)が血清で通常より高い数値を示します。
   このCK値によって筋肉を破壊させる病気の性質(筋肉の障害)が分かります。

   血液検査以外では、「心電図・肺活量・CT検査・MRI検査・筋電図検査・筋生検・骨密度検査 」などが行われます。
   筋生検では、筋ジストロフィーの変化( 筋線維の壊死、再生、結合組織の増加 )に加えてDysferlin抗体を使って
   生検筋の免疫染色を行います。Dysferlinが欠損している(陰性)ことによって診断されます。

   三好型筋ジストロフィーと肢帯型筋ジストロフィーR2/2Bは原因遺伝子が同じで初期症状にこそ違いが見られますが、
   病状が進むにつれ同じ病状をたどることが報告されています。病理検査では、Dysferlin異常症の筋細胞には特殊な構造物が無いと報告されています。


   筋ジストロフィー(Dystrophy)とは、筋萎縮と筋力低下をきたす進行性の病気で病理学的に筋細胞の壊死・再生を主病変とする遺伝性筋疾患です。
   ミオパチー(Myopathy)とは、広義の意味では筋ジストロフィーも含めた筋疾患(筋原性疾患)すべてを呼んでいますが、
   狭義のミオパチー(Myopathy)では筋ジストロフィー以外の筋疾患を総称して呼んでいます。
   現在、三好型は遠位型ミオパチーの三好型ミオパチーとして指定難病の指定病名に認定されていますが、
   筋疾患の定義や構造では、筋ジストロフィー(Dystrophy)の分類になります。

   
   「筋疾患の定義」
   筋ジストロフィー :筋細胞の壊死・再生を主病変とするもの(Dystrophy)
   ミオパチー(狭義):筋ジストロフィー以外の筋疾患(Myopathy)

   「筋細胞の構造」
   筋ジストロフィー :筋細胞に特殊な構造物が無い物(Dystrophy)
   * 三好型筋ジストロフィー・肢帯型筋ジストロフィーR2/2B・遠位前方コパートメントミオパチー
   ミオパチー(狭義):筋細胞に特殊な構造物がある物(Myopathy)
   * 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパー・眼咽頭遠位型ミオパチー


   注訳:

   【筋疾患(筋原性疾患)】

   筋疾患(筋原性疾患)とは、筋肉そのものに原因があり筋肉が萎縮してゆく病気のことをいいます。


   【CK /CPK】

   CK/CPK(クレアチンキナーゼ)は、心臓や筋肉の細胞の中にある酵素で正常値約35〜210位です。
   筋疾患などの病気の方で10倍以上の数値が出ますが、健康な方が運動後の検査で示す数値も上昇しますが、
   2・3日以上経っても10倍以上の数値は出ません。
   この数値を見る事で分かる事は、筋肉を破壊させる病気の性質(筋肉の障害)が分かります。
   これは、病気や人により数値の違があります。

   【常染色体潜性遺伝(旧:常染色体劣性遺伝)】

   両方の親由来の遺伝子が共に異常の時のみ発症し、2本のうち1本に異常があっても正常な方が
   優位に働いて発病せず(保因者となる)両方とも異常な場合は発病する。
   つまり、両親が保因者であり、その両親から異常な遺伝子を半分づつ受け継いだ場合を言います。





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